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別冊 小児歯科医 こころの声

別冊 小児歯科医 こころの声

はじめに

誰にも母親がいる。母から生まれて来たのだから。縁あって、これを読んで頂く方にも母がいる。母がまだまだ元気な方、すでに母を送った方、今まさに介護の真ん中にいる方。人それぞれ自分の母親を重ね合わせて読んで頂ければ幸いに思います。

母を送り一年半が経った今も、生前の母との関わりを自問自答し、懺悔の気持ちから涙がこみ上げる事があります。

僕は、あの日から自分自身と向き合い、今を生かされていることに感謝し日々を過ごしています。

母を偲んで、母の足跡をたどった一年半でした。生前母に幾度も勧められた四国八十八カ所のお遍路の区切り打ちを始め、高野山にも足を運びました。母が立ったであろう同じ場所に立ち、その場の空気を吸い、母と同じ気持ちになって手を合わせました。お遍路さんは亡き人の供養のために歩く人が多いと聞かされました。

しかしながら時は非情で、あの日の悲嘆を薄め、記憶を彼方に追いやり、母の姿のない生活が当たり前の日常になっていきました。今、僕は母が身をもって残していった逝きざまから多くの教えを請いそれを文字に残すことが供養になると信じ、その時の記憶を手繰りしながら文章にしました。

仏壇の前で、「こころの声」を大にして呼びかけても何も返ってきません。答えは自らの生き方の中にあると母はこんな川柳を残していきました。

「生き方を 変えて 感謝をする余生」   合掌

 

 

「させて頂く」

 

父の二十三回忌の法要をした。「先立つ人が増えると、亡くなってからの方が、毎年の事の様に法事をしなげればならないのはお葬式より大変です。」とお寺さんにお話しした。

お寺様はこういわれた。「御法事をすることが大変だとか、めんどくさいと思う気持ちがありませんか。お陰様で御法事をさせて頂けるという気持ちでされればよろしいじゃないですか。」と。

お寺様は「めんどくさいなあ。という私のこころの中を見透かしておられた。

 

 

次はあなたの番ですよ

 

お寺様はこういわれた。順送りからいうとまさにその通りだ。墓誌の表側の最後の行には母の戒名が刻まれた。自分は裏側だね。代々継がれていよいよ次は僕の番だ。その瞬間今まで意識した事もない「死」を意識した。還暦を過ぎ、平均余命を80歳とすると、生きて来た時間より残された時間の方がはるかに短い。同い年の友人は、こんなことを言った。「定年退職したのにまだ働くつもりか?働いている場合ではないぞ。残された時間はもう短い」と。自分にその言葉を置き換えてみた。大学6年間歯学を学び、卒後9年勤務、開業して26年。もうそろそろ自分のために時間を使っても罰はあたるまい。一瞬一時を大切に生きようと思い改めるが、また一日くたくた日を過ごしてしまった。後20年あるとして健康寿命はいくばくか?漫然として生きてきたが、その時から明らかに焦りに変わった自分がいる。

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