天白区・相生山駅近くの歯科医院の医院ブログ

052-892-0841
  • 24時間受付ネット予約
  • 悩みを無料でメール相談
  • インスタグラム

ブログ&コラム
  • *
  • *

実況中継

  • 院長ブログ

おはようございます。たまにはカラー写真もいいかなと、AIで加工したイラスト風の「私」を挿絵にしました。如何でしょうか?

今日は前回に続いて小児歯科臨床の一場面をあたかも一枚の絵はがきをみるように文章で切り取ってみました。「エピローグ小児歯科医 こころの声」第6章 小児歯科医プロの技から「実況中継」を

ご紹介しますね。

ママの信頼をより深いものにするために治療中の実況中継をすることがよくあります。もちろん母子同室。子どものお口の中を覗き込んで頂くためにチェアのすぐ脇にママを御招待します。大相撲でいえば桟敷席です。ママの腰掛けを少し前に引いて頂きます。

子どもの開口はいつものように「ママに見せてあげてね。大きなお口であーん」である。ママにはお口の中を覗き込んで頂くような仕草をお願いします。「お口のトンネルさん真っ暗だから電気照らすね」と言ってライトを照らします。ライティングの基本はおへそからである。

いやいやおへそを照らすわけではない。おへそあたりからゆっくりとライトをお口へ導くのである。いきなりお口を照らすと「まぶしい!」の一言でThe endとなります。治療中のお口の中を見る機会なんてそうそうないのでママも思わず身を乗り出す。せんせいは「密です。密です!」とこころの声。

時節柄「声掛けした時だけ覗き込んでね」。とこころの声を大にしています。

まず歯を治す機械の説明を、より具体的に分かりやすくママにお話させて頂きます。「キーン」と歯のエナメル質を切削する道具を車の三速、四速の軽いギアに例えます。また雪道や坂道を登る時に使うトルクのある一速、二速のローギアに例えて「コトコトコト」と象牙質を切削する道具を紹介します。

 

ママに機械の説明を分かりやすく説明し終えたのちに虫歯の「ビフォー」の状態を見て頂きいよいよ虫歯の治療に入ります。

テレビの料理番組を見ているように、手順よくすでに切削バーの付いたタービンでエナメル質を開拡していきます。手を休めママに途中経過を見て頂きます。小さな虫さんに見えるけど、実際は、こんな大きな落とし穴になりましたと解説をします。手順を進め、虫菌で色がついたところを覗き込んで頂き、トルクの強い「コトコト」の機械で色の付いた虫歯のところを少しずつ切削していきます。「ビフォー」を見て頂いているママには、進行止めで黒かった印象が残っています。タービン、エンジンと治療を進めて行くと「まあ何ということでしょう」という「アフター」の状態になる。きれいな象牙質が確認出来たところで、再度ママに覗き込んで頂く。

「こんな近くで治すところを見せてもらったのは初めてです」。といった言葉を頂く事が多い。

テレビの料理番組と同様フィニッシュまで、手順をワンステップごとに覗き込んで頂く。

お薬を小さな歯の底に少量つけるところから、光で固めるところを順次見て頂いた。最後に穴のあいたところを詰めるわけであるが、より具体的にトロトロのフローレジンで練板紙の上にハートマークや文字を書き、光で硬化するところを見て頂いておくともっと分かりやすい。

「より丁寧に、より具体的に」である。虫歯の治療は悪いところをとって、神経を守って、穴ぼこを埋めて、仕上げに咬み合わせを調整する。大雑把に言えば、四行程で終わる。それぞれの行程ごとにママに説明をしながら、その都度お口の中を覗き込んで頂く。

「ビフォー」と「プロセス」そして「アフター」の「フィニッシュ」まで実況中継をしながら治療を進める。虫歯を治した「アフター」よりその「プロセス」を見て頂くことが一番の信頼感に繋がる。

 

今は母子同室で歯を治すだけではいけない時代になってきた。最近は母子分離の治療から母子同室で治療を勧める歯医者さんが増えてきたが、その治療プロセスを紹介し、お口の中で実際にやっているところを覗き込んで頂くと「ふむ、ふむ」と深く納得される。

もちろんせんせいは、料理番組のように「こーで、あーで」と解説を加えるのであるが、最後に親御さんが決まって言われることは「初めて治しているところを見ました」とおっしゃる。それもそのはず自分の歯を治してもらっている時は、眼を閉じているか、タオルで眼を覆われていて、先生が口の中で何をしているのかさっぱり分からない。

やっぱり患者さんは「今お口の中で何をしているのか教えてほしいな」とこころの中で思っているに違いない。

ブログ一覧へ